元々は着付けとフラワーアレンジメントを仕事としていましたが、友人の染め屋さんのご紹介で[四君子]の「蔵」の立ち上げに関わったのが、私とアンティーク着物との出会いです。当時は仕入れも値付けも教えてくれる人がいなかったので、「これ位の値段なら買うかな…」といった感じで自分が欲しいと思えるようなものを集めて、買える価格で売り始めました。そういった意味では、一番消費者の感覚に近かったのかもしれません。
今日着ているものは現代物の西陣ですが、昭和初期の見本帳から復元したものです。色んな縞縦の見本を見せて頂いて、一番気に入ったものを仕立てて貰いました。旅芸人のような柄なので(笑)、帯と襟を黒色でひきしめ、柿色の帯締めをポイントにしています。ゆるい髪型ともあわせて、大正ロマン的な、レトロな雰囲気を演出してみました。よく見ると、帯には鳩の刺繍がされているんですよ。
着物は全部足して百になる計算をするといいんです。着物を40、帯を40、後を襟や帯締め等のきき色で引き立たせて…といった風に。襟を変えるだけでもガラっと雰囲気が変わりますから、着物をたくさん買う必要は無いんです。お洋服と一緒で自分が着たいものをまずは着てみてください。
|